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小文間植生研究部「草木工房」

天候がよく、麗らかな一日だった。
小文間植生研究部の活動の一貫として、「草木染め」という天然染料染色の第一人者である山崎和樹さんの神奈川県、草木染研究所柿生工房(草木工房)を訪ねた。山崎さんは、「草木染め」という天然染料の染色方法によって身近な環境の中で出来る染色を研究、普及活動をされている。
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この「草木染め」という染色方法は、植物の葉、枝、幹、樹皮や根などに含まれている色素を抽出し、糸や布を染める伝統ある染色法である。ちなみに、この「草木染め」という言葉は、山崎さんの祖父にあたる山崎斌(あきら)さんが生み出した言葉だという。また、父の山崎青樹さんは群馬県重要無形文化財指定者であり、草木染めに関する著書が多い。文字通り、天然染料、染色を研究されている一家なのだ。
山崎さんの主な著書は、『草木染 麻を染める』美術出版社、『草木染 四季の自然を染める』 山と渓谷社、『学校は草木染の素材の宝庫』 農文協、『自然の色を楽しむ やさしい草木染』 日本放送出版協会など。山崎青樹さんと山崎和樹さんの著書

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この日、長時間にわたって山崎さんに草木染めに関する説明をしていただいた。
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畑を始め、ご自宅敷地内に植生する染料植物の見学説明から始まり、実際に抽出した草木(天然染料)の閲覧、そして染めた糸やシルクの閲覧、乾燥させた染料の閲覧等。さらには、解説の合間に、(僕らの専門が絵画のため)紙に染める染料の可能性について等の会話も交された。

特に、染色された糸やシルクの色彩は非常に艶やかだった。天然染料のみで、色幅がこれほどまで生み出せる事に驚いた。
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「草木染め」は、染色の過程を通じて自然植物の美しい姿を観察する事が出来るという。土に触れ、種を蒔き、植物を育て、それらの数多の植物から天然染料を収穫して、ようやく染色することが可能となる。このような四季を通じた自然環境の関わりから享受できる自然の美意識に、尊さを禁じ得ない。

また、近年、国内外において地球環境の悪化が叫ばれ始めている。このことから、天然染料、天然繊維を使った草木染めが『いかに環境に適した染色方法であるか』という事を山崎さんから話を聞くことができた事は非常に意義があるものだと思った。実際、科学合成による染料や絵の具を含む塗料など人体や環境に害を及ぼす素材が蔓延する昨今、この体験は今後自身の中においても昇華すべき課題であるように思えた。


非常に充足感を感じ、また様々な事を考えさせられる一日だった。
by zeno1016trp | 2007-01-07 12:00 | 植生日記