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紫陽花

つい先日、自宅の隣りの家のご主人が、突然に亡くなられた。


この話を近隣の方から聞いた時、正直、言葉が何も出てこなかった。
仕事先で倒れ、そのまま逝かれたのだという。
小学生のお子さんを二人残しての急死だった。

ご主人とは、顔を合わす機会はさほどあったわけでは無いが、遇う時はいつもご家族と一緒だったことを思い出す。
つい最近は、ジョギング姿を見掛けたばかりだった。

             *

そして今日の晩、自宅の前において、外出しようとしていた隣の奥さんに、ご主人を亡くされてから初めて遇った。
側には二人兄妹の下の子が、お母さんの横を寄り添うように立っていた。

明らかに、奥さんは憔悴しきっている様子だった。女の子にも、いつもの元気さが全く見受けられなかった。

             *

間もなくして、俺は、二人に遇ってから必死に言葉を探そうとしていることに気がついた。

親子が立ち去る間際になって、俺は女の子に「バイバイ。」と、ようやく絞り出すように声をかけることができた。
女の子はそっと会釈をしてお母さんの後ろに隠れ、そして立ち去って行った。


やがて、小さな影が見えなくなった。

             *
  
  夏もなほ 心はつきぬ あぢさゐの よひらの露に 月もすみけり  藤原俊成


空梅雨の、夜明かりに浮かんだ白い紫陽花が綺麗な夜だった。
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by zeno1016trp | 2006-06-28 01:52 | 日常のよしなしごと

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6月20日発刊の美術雑誌「美術の窓」(生活の友社)7月号に、5月の個展レポートを掲載いただきました。

掲載いただいた記事は193ページ、「Art Report」というコーナーです。


よかったらご覧下さい。




また「びじょん新報」(ビジョン企画出版社)においても、「びじょん新報」主筆でもあり、美術評論家でもある瀧梯三先生に個展のコメントをいただいております。
こちらもよかったらご覧下さい。
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by zeno1016trp | 2006-06-24 13:38 | その他、お知らせ

取手(植栽実験園)

今日からFIFA W杯決勝トーナメントが始まる。
残念ながら日本は、その16カ国の中に入ることは出来なかったが、また4年後に向けてやっていけばいい。
気持ちを切り替えて、"次"だ。

             *

今週は5日連続の出講だった。
内、三日間は取手校地にて『箔講義』と『裏打ち講義』が行われ、準備等で忙しかった。
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箔講義、裏打ち講義は、共に外部からの講師を依頼して指導していただいてもいる。
中でも箔講義。箔を扱う際は、一切の風を遮る、所謂゛無風の環境゛で行わなければならない。
関東では連日の暑い日が続いていたため、密閉された環境の中では室温が益々上昇し、ほんの少し動いただけでも汗が吹き出してくるほどだった。

そして、日本画科の教員が依頼着手している、都内神社の『天井画』作成のための板絵大下図制作にも追われていた。俺の割り当てられた題材は、松、蝋梅(ロウバイ)、茉莉花(マツリカ)の三点。

             *

その取手校地。
藝大取手校地には敷地内奥に「植栽実験園」というものがある。
5~6年前頃から、日本画の和紙の原料(紙料、ネリ材)や染料などになる植物を実験育成している。
植物は「楮(コウゾ)」、「三椏(ミツマタ)」を始め、「夜叉(ヤシャ)」、「空木(ウツギ)」、「黄檗(キハダ)」、「真弓(マユミ)」、「皀莢(サイカチ)」、「鬱金(ウコン)」、「柘榴(ザクロ)」、「鬼縛り(オニシバリ)」、「蓼藍(タデアイ)」、「梔子(クチナシ)」、「無花果(イチジク」)等、23~24種が植生している。
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前日は先輩助手ふぢっこさんらと「黄蜀葵(トロロアオイ) 」の種を蒔き、昨日は中村さんが持って来た「臭木(クサギ)」を植え付けた。また、立て看の交換作業も行う。
そして、何と言ってもこの時期のメイン作業は"草取り"!「セイタカアワダチソウ」、「カラスウリ」、地下には「クズ」などが元気よく成長してしまう。 規模が大きいだけに、これは大変な作業だ。
昨日も、取手校地の学生たちと汗を流した。


けれど、取手に行く度に植物の手入れをしてみて、植物の生成を見守っていることはとても興味深く、面白い。
また、季節ごとに様々な表情を見せてくれる植物たちに、とても魅力を感じている。

現在は、青々とした園内の中で「ウツギ」の花が可愛らしく咲き乱れ、「クチナシ」の花は甘い香を発している。
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by zeno1016trp | 2006-06-24 13:33 | 制作日記

同級生

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昨日、茨城県取手市の同級生夫妻の新築宅にて、同級生たちが集まった"パーティー"があった。

自分も含めて25名いた同級生。
昨日は半数ほどしか来られなかったが、実に楽しい時間を過ごすことができた。中には、生後10ヶ月の子どもを連れて来てくれた同級生もいた。

けれど、昨日は炎天下もいいところ。焼肉をやるにはちょっと熱すぎた!
でも、懐かしい面々と共に過ごしていると、そんな暑さも忘れてしまっていた。

              * 

学部までだと4年、修士だと6年も共に過ごした面々。現在になって考えてみると、改めて同級には特別の思いがあることを実感する。
また、どこか繋がっているというか、分かりあっているというか、そんな気もする。
実際、久しぶりに同級生に会っても、不思議な安心感があった。
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昔から仲がいいわりに、一定の距離を保ちあっている、そんな学年だった。
それは現在でも変わらないんじゃないかって思う。

絵を描き続けている人、就職した人、家庭を持った人、音信不通になってしまった人など様々だが、またこのような機会に少しでも多くの同級生が集まるといい。

              *

そしていよいよ、あと一時間後に日本対クロアチア戦が始まる。
正直、クロアチアは強い。
けれど、チェコがまさかの敗戦をしたように、俺はそんな奇跡を夢見ている。
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by zeno1016trp | 2006-06-18 21:48 | 日常のよしなしごと

いよいよ、明日

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最近の制作時間はまずまず。
次の制作のための準備を徐々に行っている。





先日、「本屋巡り」というタイトルで日記を書いたばかりだが、また本を追加購入してしまった。

最近ハマっている近代建築。その近代建築史家である藤森照信氏の本だ。かねてからほしかったものだ。
今年四月から始まったNHKの番組「美の壺」。6月2日に放送された番組、「File9 明治の洋館」にも出演されていた。

ちなみに、この「美の壷」という番組。盆栽、古民家、良寛の書、瓦屋根、洋館と、取り上げるテーマが俺のツボを押さえている。
次回は根付。楽しみだ。

             *

いよいよ開幕したサッカーW杯!
毎日、試合結果をチェックしている。
イングランド、スウェーデン、アルゼンチン、メキシコ、、、どの試合も気になっている。
オランダのファンである俺は、今夜行われたセルビア・モンテネグロ戦の一勝にまず一安心した。

オランダの"トータルフットボール"というサッカースタイルが昔から好きだった。エドガー・ダービッツという選手がオランダ代表から漏れてしまったのは残念だったが、それを忘れてしまうだけのスター選手が目白押しなのもオランダ代表の特徴だ。けれどオランダは、アルゼンチン、セルビア・モンテネグロ、コートジボアールが犇めく死のグループ!
なんとかオランダの決勝トーナメント進出を願っている。


そして、いよいよ今夜。
我が国二ッポンの初陣、日本対オーストラリア戦が行われる!
4年前は全試合を代々木の国立競技場で観戦し、絶叫し、見知らぬサポーターたちと抱き合い、渋谷で朝まで過ごした。 笑


今年は金も時間も無いので、自宅で観戦する。
友人たちやサポーターの連中と"歓喜"出来ないことは寂しいが、そういう機会はきっとまた来るだろう。
明日は仕事が終ったら直帰する予定。
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by zeno1016trp | 2006-06-12 02:07 | 制作日記

本屋巡り

週末、実家に帰省した。少々の疲れが残るが、晴天に恵まれた帰省となった。

今日は休日。
昼過ぎに妻に紹介してもらった中野区の歯科に行く。
午後はギャラリー巡りを変更して、新宿世界堂やロフト、ジュンク堂書店などをブラブラした。
特にジュンク堂。書棚の中に入って行ったら夢中になってしまった。語学、植物、芸術、デザイン、新刊、文庫、、、2時間くらいは彷徨っていただろうか。

             *

今日のジュンク堂を始め、海外画集の充実した「丸善」、芸術雑誌の揃えがいい「紀伊国屋」はよく足を運ぶ。
でもやっぱり"神田古本街"ほど、想像しただけで胸が高鳴るところは無い。神田芸術古書の老舗「源喜堂」はとても充実して、よく足を運ぶ。実は、昨日も古書巡りをしたくらいなんだ。



本は昔から好きだった。図書館も利用する。
けれど、気に入った図書は自分で持っていたい質(たち)。経済的に大人買いは出来ないが、展覧会図録、作品集、文庫など購入してしまう癖がある。

中学時代は井上靖が好きだった。井上の故郷、"天城湯ヶ島"には強い憧れを持っていた。
高校・予備校時代はトルストイ、ドストエフスキー、カミュとかを読み耽った。こ難しそうだけれどこれが面白いのなんのって。スタンダール、コクトー、ツルゲーネフなども齧った。 最終的にはヘミングウェイの短編に落ち着いたが、中世ロシアの貴族社会・政治・キリスト教が複雑に絡んだ"強烈な"ヒューマニズムが好きだった。

俺自身、幼い頃から音楽が身近な環境に育ったが、その音楽においてもチャイコフスキー、ショスタコービッチ、リムスキー・コルサコフなどのロシアの作曲家が好みだったんだ。潜在的に、自分と何か通じるものがあるのだろうか。ちなみに日本では大江健三郎、松本清張。川端康成の、小説の中の光景が細部に渡って湧き出てくるような文章表現にも引き込まれた。

近年は専ら芸術関係。軍雄割拠の歴史物も好きで吉川英治の「三国志演義」は愛読書だが、どうしても美術作家や職人が書いた本に惹かれてしまう。

             *

いよいよドイツW杯も開催まで、あと3日!4年に一度の祭典に、眠れない毎日を迎えることとなる。

夜、昨年作った自家製梅酒を一杯。うまい。
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今春、花を咲かせた庭の梅の木に、新たな若い梅が実り始めている。そろそろ収穫をしよう。
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by zeno1016trp | 2006-06-08 00:37 | 制作日記