先月、大学の研修旅行「古美術研究旅行」の引率で京都と奈良を旅行した。深まる紅葉の季節。それは素晴らしい旅行だった。
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僕自身も学生の頃に行っているが、「古美術研究旅行」とは、2週間の日程の中で多くの寺院を巡り、現地において講義見学が行われるものだ。当時の記憶は断片的なものでしか無いが、学生の頃に赴いた寺院の数は30を超えるものだった。

今回、京都市内のホテルと奈良市内の大学研修施設に宿泊し、計8日間滞在した。
参加した1週間だけでも、「大徳寺真珠庵」、「大徳寺聚光院」、「大徳寺大方丈」、「禅林寺」、「智積院」、「養源院」、「妙心寺隣華院」、「角屋」、「教王護国寺」、「南禅寺大方丈」、「南禅寺天授庵」、「南禅寺金地院」、「三井寺光浄院」、「三井寺勧学院」、「薬師寺」、「唐招提寺」、「秋篠寺」、「蟹満寺」、「浄瑠璃寺」、「岩船寺」、「円成寺」、「興福寺国宝館」、「興福寺東金堂」に赴いた。

                *

僕は今回ほど"光と影"を意識して拝観した事が無かったように思う。
特に、6日目に行った「秋篠寺」、「蟹満寺」、「岩船寺」、「浄瑠璃寺」、「円成寺」の諸寺は深く感慨に浸った。これらの寺院は電気に頼る現代の明かりを極力避け、蝋の明かりを頼りにしていた時代の状況を再現し、本来の在り方を伝えてくれている。
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本堂の中は日中でも薄暗い。障壁などに用いられた箔などはきらびやかな演出のみならず、光源を誘う役割を果たすなどの効果があるという。

光があれば、影も存在する。僕は堂内の光が当たらない部分の中に、建立当時から信仰されてきた人々の思いがどこまでも深く深く浸透しているように感じられた。また、光が当たる事によって投影された影との関係に、"阿吽"の息遣いがあるように思われたのだ。
数々の仏像彫刻、障壁画等を眼にしたが、改めて寺院が、信仰を基に造られた"包括的な"意匠であることを認識した。


一面翠緑に覆われた苔の上に、一枚の葉がひらひらと静かに落ちる光景は言葉で言い表わす事が出来ないものがある。
室町、鎌倉、平安、さらに遡ること白鳳、天平という時代から経てきた建造物は、時代が刻々と変化してもその姿を変えず、庵を営まれ信仰に勤しまれたのだろう。凛とするような早朝の外気の中、僧侶が静かに境内を歩む姿も、いつの時代でも変わらずにある姿なのだろう。広い縁台に降り注ぐ、眠りに落ちてしまいそうな暖かな陽射しも、雨露が本堂の軒をつたい滴り落ちる音景も、いつの時代も繰り返されて来た光景だろう。

境内に繰り広げられる佇まい — 葉の落ちる光景、麗らかな陽射し、僧侶の姿は、それらを取り巻く環境が変容しても、確かに同時代に現存し続けている。



— 陽光を透かして、煌めく紅い葉を空に仰ぎながら山門をくぐると、其所には遠き過去から静かに息づく四海が広がっていた。
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by zeno1016trp | 2006-12-20 15:47 | 旅行記

古美術研究旅行

本日から21日までの間、学部生の研修旅行『古美術研究旅行』の引率で、京都と奈良に行く。
7泊8日の寺社廻りの研修旅行だ。

ちなみに、これから寒気が押し寄せてくるようで、気温がグッと下がるようだ。防寒対策をしっかりと。

それでは行って来ます!
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by zeno1016trp | 2006-11-14 12:14 | 旅行記

スペインより帰国

先日、スペインより無事に帰国した!
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旅行日程は、19日から26日までの8日間。
往路は、成田空港からオランダ・アムステルダム空港経由、バルセロナ空港まで約14時間の空路だった。
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スペインでは首都Madrid(マドリッド)を始め、Barcelona(バルセロナ)、Valencia(バレンシア)、Granada(グラナダ)、Majas(ミハス)、 Ronda (ロンダ)、Sevilla(ゼビリャ)、Cordoba(コルドバ)、Campo de criptana(カンポ・デ・クリスターナ)そして古都Toledo(トレド)などの街を周遊した。

昨年の同時期にもアメリカ・ニューヨークを訪れたが、この時は気心の知れた美術家の友人と共に"美術三昧"の旅をした。そして今回は、妻と二人で赴いたんだ。

旅行先にスペインを選択した理由は、兼ねてからガウディの建築作品に憧憬していたからだ。特に、「Templo de la Sagrada Familia(サグラダ・ファミリア)」は、この眼で観たいと強く願っていた。
そして実際に、一部の完成を除いて現在も工事が続けられている「Templo de la Sagrada Familia(サグラダ・ファミリア)」を現前した時、正に言葉では言い得ないほどの感銘を与えられた!本当に、凄いものを観てしまった。


短い期間だったが、この旅行を通じてスペインの歴史、文化、遺産に触れ、人々の生活の一部分を垣間見ることができたように思う。
—そしてさらに、素晴らしい"出逢い"の数々があったことを付しておきたい。
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                *

現在は作品の搬入日が近いため、旅行を回想する間もなく制作に没頭している。

また、ある程度、生活が落ち着いたら、「スペイン旅記」として旅の記録、回想を書き留めていきたいと思います!
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by zeno1016trp | 2006-09-30 01:44 | 旅行記

東大三崎臨海実験所

5月に入ってから、なかなかスカッとした晴れの日が少ない。「五月晴れ」なんて言葉もどこへやら。

昨日は、朝6時に家を出て、ふじっこさん、一光さんと7時に上野で待ち合わせ、神奈川県三浦市三崎町の「東大理学部三崎臨海実験所」の『自然観察会』というイベントに参加した。現地では、関先生と自主参加の後輩たちと落ち合った。

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都心近郊の割に意外と長旅だったが、いや~楽しかった。
『自然観察会』では、油壺湾岸の生物採集&観察。

一時間半、実験所の先生方も含めた皆で採集した生物は…
【軟体動物門】
□後鰓類 シラユキウミウシ/サラサウミウシ/クロシタナシウミウシ/タツナミガイ(無楯目)/イソウミウシ
□前鰓類 アカニシ/スガイ/レイシ/イシダタミ/ネコガイ/メダカラ/ツメタガイ/砂茶碗(ツメタガイ卵)
□斧足網 イシマテ/ホトトギス/オオノガイ/アズマニシキ/アコヤガイ/カガミガイ
【棘皮動物門】
□ヒトデ網 トゲモミジ/スナヒトデ/モミジガイ
□ウニ網 サンショウウニ/ムラサキウニ/バフンウニ
□ナマコ網 マナマコ
□クモヒトデ網 ニホンクモヒトデ
【内肛動物門】 スズコケムシ
【コケムシ動物門(外肛)】 チゴケムシ
【節足動物門】 ヒライソガニ/オウギガニ/イソクズガニ/コメツキガニ/ノコギリガニ/タイワンガザミ(十脚目)イソッテッポウエビ/スジエビモドキ/エビナガホンヤドカリ/スナモグリ
【脊椎動物門】 ハオコゼ/ナベカ/スジハゼ/イッセンヨウジウオ/ヒメハゼ/アミメハギ/イソハゼ
【脊索動物門】 シロボヤ/マクラホヤ
【環形動物門】 ドロケヤリ/ニホンフサゴカイ
【刺胞動物門】 キクメイシ/オヨギイソギンチャク/ヨロイイソギンチャク
【星口動物門】 スジホシムシモドキ/サメハダホシムシ
【紅藻こうそう】 フシツナギ/イボツノマタ

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たった一時間半でこの種類。引き潮時の磯の石をひっくり返したり、土を掘り返すだけで、こんなにもの海の生物の一端に触れることが出来る。
今回は写生こそ出来なかったが、実に楽しかった。
童心に返った一日だった。

7月にはもう一度、三崎臨海実験所に担当する大学院研究室(第二研究室)のゼミ旅行で訪れる。

             *

また、この大学院研究室の初展覧会の運営準備も順調に進んでいる。
これまでに幾度か学生や教授との話し合いの場をつくり、ある程度の展覧会の為の基礎を築いてきた。そして学生リーダーも決まり、組織も生まれ、いよいよ学生主体の本格始動!

自分自身、別の研究室(第一研究室)出身だが既に展覧会が組成されていて、この展覧会の立ち上げにも関わったことがあった。立ち上げ時は、企画・体制などを当時の担当の助手、中村寿生さんにとても面倒を見ていただいた事を、しばしば思い起こす。
自分自身も、学生の自主性を尊重しながら、適度なサポートをしていければと思う。
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by zeno1016trp | 2006-05-29 11:35 | 旅行記